映画「魔女がいっぱい」おばあちゃんの咳の原因は?なぜ魔女に詳しい?

12月4日に公開された映画「魔女がいっぱい」をご覧になった方の中には、男の子のおばあちゃんについて疑問が残った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「おばあちゃんは何故そんなに魔女について詳しいの?」
「おばあちゃんの咳の原因は?」
「おばあちゃんを演じる女優さんは誰?」

など、気になりますよね。

そこで今回は、映画「魔女がいっぱい」のおばあちゃんの咳の原因や魔女とおばあちゃんの過去について、映画「魔女がいっぱい」でおばあちゃん役を演じた女優オクタヴィア・スペンサーなどについて解説します!

なお、本記事の内容にはネタバレも含まれております。映画をご覧になっていない方はご注意ください。

映画「魔女がいっぱい」のおばあちゃんの咳は魔女が原因

映画「魔女がいっぱい」で、オクタヴィア・スペンサー演じるおばあちゃんが咳をしだすのは、ある夜に男の子と音楽に合わせてダンスしていた時。それまでは楽しく踊っていたおばあちゃんが、突然苦しそうに咳き込みます。心配そうに見つめる男の子。

翌日、買い物をしていた食料品店でも咳をするおばあちゃん。その後、滞在したホテルでも咳に悩まされます。

おばあちゃんの咳の原因はなんなのでしょうか?

咳が出るのは魔女に呪いをかけられたせい?

ホテルでの滞在中、おばあちゃんはベッドで男の子に魔女について話をします。「It was likely brought on by a witch.(この咳も魔女によるものだろうね。)おそらく食料品店で(男の子が)会った魔女だよ。」と言うおばあちゃん。「本当に?」と驚く男の子に、おばあちゃんは確信を持って「本当だよ。」と答えます。

確かに、おばあちゃんが咳き込むシーンを振り返ると、確かに魔女がその場に姿を現しています。

おばあちゃんがダンスをしていて咳き込むシーンも、窓の外から不気味に見つめる魔女の姿が。食料品店では、男の子が家の中をのぞいていた魔女に出くわしています。もちろん、ホテルにも集会に参加するために訪れた同じ魔女がいました。

このことから、おばあちゃんの咳は男の子が食料品店で会った魔女が引き起こしているものだとわかります。

原作では咳の原因は「肺炎」

本作品の原作であるロアルド・ダールの小説「魔女がいっぱい」では、おばあちゃんの咳は「肺炎」となっています。

小説「魔女がいっぱい」のおばあちゃんは「80を越したお年寄り」と描写されており、オクタヴィア・スペンサー演じるおばあちゃんよりかなり高齢。しかも、いつも「黒い葉巻」を吸っています。年齢と喫煙のせいもあり、おばあちゃんの肺炎は危険な状態で、「峠を越した」もののしばらくの間は安静にする必要がありました。

おばあちゃんが肺炎で危険な状態になるということは、「高齢であるおばあちゃんが自分よりずっと早くに死んでしまうのではないだろうか。また一人ぼっちになるのでは?」といった男の子の恐怖心につながっており、おばあちゃんの死に対する男の子の恐怖は、エンディングの彼の発言に深く関わっていると考えられます。

映画では「肺炎」が「魔女が引き起こしたもの」となっている理由は確かではありませんが、後者の方が魔女の物恐ろしさがより助長され観ている側の好奇心をそそるような気がしますね。

映画「魔女がいっぱい」おばあちゃんが魔女に詳しい理由は?

詳しすぎるくらい魔女についてよく知っているおばあちゃん。男の子に魔女の見分け方や特徴を教えてくれ、とても頼もしい存在ですよね。

おばあちゃんは何故そんなに魔女について詳しいのでしょうか?

子供の頃に魔女に出くわした経験が

残念ながら映画「魔女がいっぱい」の中では、おばあちゃんが魔女についての情報をどのようにして得たかについては語られていません。

おばあちゃんは男の子に、子供のころ魔女によってニワトリに変えられた友達の話をします。家の向かいに住む仲良しの女の子が、知らない女からもらったキャンディを食べてしまうのです。その日はなんともなかった女の子でしたが、翌朝になると大きなニワトリに変わってしまった、というお話。

おばあちゃんは、この時一度だけ魔女を、しかも大魔女を見ているのです。おばあちゃんの方を見て笑う大魔女(アン・ハサウェイ)の口は、耳まで大きく裂けていてとても不気味。個人的な想像のみですが、この時からおばあちゃんは、魔女について色々調べて知識を得たのかもしれませんね。

原作「魔女がいっぱい」では?

原作「魔女がいっぱい」の中のおばあちゃんも、「魔女に一度だけ会ったことがある」と語っています。ただし原作では、いつどのようにして魔女に会ったのかについての描写はありません

ニワトリになった女の子の話や、その他にも魔女により姿を変えられた子供たちの話はしますが、映画のようにおばあちゃんがその場に居合わせて魔女を見たわけではないようです。

実は、原作ではおばあちゃんは親指がなく、男の子はそれが魔女によるものだと考えます。ただし、その指についておばあちゃんは話したがらず真実は明らかにされていません。男の子が親指について聞くと、おばあちゃんはふるえ出して何もしゃべらなくなってしまうのです。

おばあちゃんは魔女について知っていることについて「風のたよりに聞いただけ」「だれも悪魔を見ていないけれど、悪魔がいるってことは、みんな知っているでしょ。」とだけ語っています。

少しダークで謎めいているところが、著者ロアルド・ダールの持ち味であり魅力でもありますね。

「おばあちゃん」役のオクタヴィア・スペンサーとは?

映画「魔女がいっぱい」でおばあちゃん役を演じるのはアメリカ人女優オクタヴィア・スペンサー。面倒見がよく頼りになるおばあちゃん役にとてもピッタリでしたよね!

オクタヴィア・スペンサーという名前は知らなくても、映画やドラマで彼女を観たことのある方も多いのではないでしょうか。世話好きで包容力があり、どこか安心感も感じるオクタヴィア・スペンサーは、数多くの作品に出演しています。

代表作はなんと言っても「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」。1960年代の公民権運動を背景とした感動の人間ドラマ映画で、オクタヴィアは女性メイド役ミニーを熱演。アカデミー助演女優賞を受賞しています。

その他、映画「評決のとき」(デビュー作品)、「シェイプ・オブ・ウォーター」「7つの贈り物」「gifted/ギフテッド」「ドリーム」などに出演しています。

もとはプロデューサー志望だったオクタヴィア。2018年に製作総指揮を務めた「グリーンブック」では、アカデミー作品賞を獲得。今後ますます彼女の活躍が期待されます!

まとめ

映画「魔女がいっぱい」のおばあちゃんの咳の原因や魔女の情報をどこで得たかなどについて解説しました。怖い魔女も本作品の見どころと言えますが、大らかで包み込む優しさでいっぱいの「おばあちゃん」も印象的ですよね。

映画「魔女がいっぱい」をもう一度観る方は、ぜひこの素敵な「おばあちゃん」にも注目して観てみてくださいね。

最後まで読んでくださりありがとうございました。