2006年に公開されて以来、多くのファンを魅了してきた名作「プラダを着た悪魔」。実は、主演アンドレア役にはアン・ハサウェイではなく、他の有名女優が候補としてあがっていたのをご存知でしたか?
当記事では、映画「プラダを着た悪魔」について、あまり知られていない裏話やエピソードなどを集めてみました。ぜひクイズ感覚で読んでみてくださいね。
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【プラダを着た悪魔】これ知ってた?作品がまた観たくなる事実12選
【事実1】アン・ハサウェイは第一候補ではなかった
映画「プラダを着た悪魔」の主人公アンドレア役として一躍ブレイクしたアン・ハサウェイ。実は「プラダを着た悪魔」の製作陣は当初、アンドレア役として「きみに読む物語」「ミーン・ガールズ」で功を収めたレイチェル・マクアダムスを希望していたとのこと。
しかし「主流な作品から距離をおきたい」という理由でレイチェル・マクアダムスはオファーを辞退。
「ホームランド」のクレア・デインズや「ギルバート・グレイプ」のジュリエット・ルイスなどもアンドレア役のオーディションを受けたそうですが、最終的にアン・ハサウェイに決定しました。
どうしてもアンドレア役に選ばれたかったアン・ハサウェイは、本作の重役たちに猛アタックしたとのこと。映画製作のエグゼクティブが所有している禅庭に「Hire me.(私を雇って)」と書いてアピールまでしたのだそうです。
【事実2】原作を書き終えるまえに映画化が決定
本作の配給元である20世紀フォックスは、映画「プラダを着た悪魔」の原作が完成する前から映画権を獲得していたとのこと。
本作の原作者であるアメリカ人作家ローレン・ワイズバーガーは、「プラダを着た悪魔」の未完成の原稿を出版社や映画製作会社に回しており、これが当時の20世紀フォックス・スタジオの会長の目にとまったのがきっかけ。「インパクトのあるアイデアと、明確で魅力的なコンセプトは、最終的に原稿がどのような仕上がりになったとしても映画化できると確信した」と当時のエリザベス・ゲブラー会長は語っています。
【事実3】メリル・ストリープが出演しなかった可能性も?
映画「プラダを着た悪魔」の製作陣によると、カリスマ編集長ミランダ役はメリル・ストリープ以外にはないと確信していたそう。ところが、当のメリル・ストリープは、「出演料が少なすぎる」と最初のオファーを断っています。
「このプロジェクトへ対する自分の価値に見合ったオファーではない」とメリル・ストリープは感じたそうです。その後、出演料は最初のオファーの倍額となったとのこと。
【事実4】ナイジェル役は撮影の72時間前に出演を承諾
ナイジェル役を演じた俳優スタンレー・トゥッチ。彼が出演に承諾したのは、なんと撮影がスタートする72時間前だったのだそう。
実は製作陣はナイジェル役の俳優を決めるのに苦労しており、当初は「ハンコック」「40男のバージンロード」のトーマス・レノンを考えていました。しかし、他作品への出演が決まっていたためレノンに断れてしまい、ギリギリのタイミングでスタンレー・トゥッチが出演に承諾しました。
【事実5】エミリー役に100人の女優をオーディション
ミランダのシニア・アシスタントであるエミリー役を見つけるのにも難航したとのこと。製作陣がオーディションを行った女優の数は100人以上。この期間中、たまたま他のオーディションで同じスタジオに滞在していたイギリス人女優エミリー・ブラントが、見事エミリー役に選ばれました。
飛行機でロンドンへ帰る直前だったため、Tシャツにビーチサンダル姿でオーディションを受けたブラント。しかもエミリー役はアメリカ人という設定だったにもかかわらず、持ち前の強いイギリス訛りでセリフを読んだのだとか。しかし彼女のアクセントにインスパイアされた監督は、エミリー役をアメリカ人からイギリス人に変更したそうです。
【事実6】ミランダのファッションはダナ・キャラン?
映画「プラダを着た悪魔」の衣装を手がけたのは、「セックス・アンド・ザ・シティ」や「エミリー、パリへ行く」のパトリシア・フィールド。本作のワードローブをすべて揃えるのにかかった費用は総額100万ドル(約1億円)。
フィールド氏がメリル・ストリープに選んだのは、映画のタイトルにあるプラダではなくダナ・キャラン。デザイナーで友人でもあるダナ・キャランのアーカイブをチェックして、メリル・ストリープのワードローブを作成しました。
フィールド氏がダナ・キャランを選んだ理由は、適度なフィット感とスタイルよく見せるデザイン、そしてウエストと肩のラインを強調しながらも決して大げさではないところ。ミランダを演じるメリル・ストリープのイメージにぴったりと感じたのだそうです。
ちなみに、アンドレア役のアン・ハサウェイに選んだのはシャネル。アン・ハサウェイと会った時にフィールド氏は、「彼女はシャネル・ガールだと思った」と語っています。
【事実7】超タイトな予算とスケジュール
限られた予算と撮影スケジュールのもと製作されたため、ラストのパリのシーンを現地で撮影するのは不可能だと言われていたのだそう。
しかし最終的には、アンドレア役のアン・ハサウェイとトンプソン役のサイモン・ベイカーのみ渡仏。ロケ期間2日という条件で現地パリでの撮影が実現しました。
パリに行けなかったメリル・ストリープのシーンは、グリーンスクリーンなどを使って撮影・編集が行われたとのこと。ちなみに、ベンツから出てくるミランダのパリのシーンは、ニューヨーク市立博物館の階段が使用されています。
ニューヨークからパリに至るまでの全てのシーンの撮影にかかった期間はなんと57日間のみ。製作費も1000万ドルと超ミニマルな条件で製作された作品だとは少し想像しがたいですよね。
【事実8】メリルストリープ演技の参考にした意外な俳優とは?
メリル・ストリープ演じるミランダの1番の特徴は、氷のように静かな「ささやき」。怒鳴るよりもはるかに威圧的な雰囲気を醸し出すストリープの演技は絶妙でした。
実は、ストリープが「ささやく」演技の参考にしたのは、ハリウッド映画界を代表する監督・俳優のクリント・イーストウッド。
ストリープはクリント・イーストウッドについて次のように語っています。「彼は決して声をあげません。だから周囲の人は、彼が言っていることを聞こうと身を乗り出さないといけないのです。当然、彼はその場で最も強力な人物となります。」
撮影中は役作りのため、他のキャストとは距離をとっていたというメリル・ストリープ。ベテラン女優のパフォーマンスへのこだわりとセンスを感じますね。
【事実9】太って痩せたアン・ハサウェイ?
本作に出演するため、体重を5キロ増やすようにプロデューサーから告げられたアン・ハサウェイ。ピザやアイスクリームを食べたりビールを飲んだり、頑張って5キロ増やして撮影に挑みました。
しかし衣装合わせの時、衣装担当のパトリシア・フィールドから衣装のサイズに合うように5キロ痩せてほしいと言われたのだとか。結局アン・ハサウェイは、1ヶ月かけて体重を増やしたあと、2ヶ月かけて体重を5キロ減らしたんだそうです。
この経験についてアン・ハサウェイは、「悪夢だったわ」と語っています。
【事実10】エミリーは恋のキューピッド?
スタンレー・トゥッチ(ナイジェル役)とエミリー・ブラント(エミリー役)の姉フェリシアは、2012年に結婚。もちろんきっかけは、本作「プラダを着た悪魔」。
映画の撮影をとおして仲良くなったトゥッチを、自身の結婚式に招待したエミリー・ブラント。そこでトゥッチがブラントの姉フェリシティと出会い恋に落ちたのだそうです。
「スタンレーと私は親戚なの。彼が私の姉と結婚してるなんて、驚きでしょ?全ては『プラダを着た悪魔』のおかげね。」とエミリー・ブラントは語っています。
【事実11】アン・ハサウェイに夜の撮影禁止令?
本作が撮影されていた頃、主演のアン・ハサウェイにとってはとても辛い時期だったようです。
原因は、当時アン・ハサウェイが同棲していた元彼氏のラファエロ・フォリエリ。彼はハサウェイが仕事をすることを嫌っていて、特に夜の撮影には大反対していたとのこと。この時期のハサウェイについてデヴィッド・フランケル監督は次のように語っています。「彼女は精神的にとても不安定だった。特に夜に撮影をしなければならない時はね。」
その後、ハサウェイとフォリエリは破局。彼は2008年に詐欺罪で有罪となり、禁固4年5か月を言い渡され服役しました。
【事実12】エミリー・ブラントがセリフの着想を得た人とは?
エミリー役を演じたエミリー・ブラントのこちらのシーン。
日本語では「ペチャクチャうるさいわ。黙って」と訳されていますが、エミリーのアイコニックなセリフの1つとして知られています。実はこのセリフ、ブラントがスーパーマーケットで偶然見かけたある母親から着想を得たとのこと。
「撮影中、スーパーである母親が娘に話しているのを見かけたの。……母親は娘に怒鳴っていて、手を開けたり閉めたりしながら『ペチャクチャうるさいわ。黙って』と言ったわ。それを映画のシーンで使うことにしたのよ。」
ちなみに、ブラントの夫で俳優のジョン・クラシンスキーは「プラダを着た悪魔」の大ファンで、70回以上も作品を観ているのだそうですよ。
まとめ
映画「プラダを着た悪魔」について、あまり知られていない事実についてご紹介しました。
撮影当時の裏話やキャストについてのエピソードを知ると、また作品を観たくなりますよね。「久しぶりに『プラダを着た悪魔』を観たくなった!」という方は、現在(2021年6月10日時点)動画配信サービスHuluにてご視聴いただけます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。