【闇はささやく】ストーリーに秘められた実話とは?あらすじと感想

Netflixで配信中の映画「闇はささやく」。気になっているものの評価が気になる…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

当記事では

  • 「闇はささやく」作品情報
  • 「闇はささやく」あらすじ(ネタバレなし)
  • 「闇はささやく」をた感想

これらについてご紹介していきます。

なお当記事には、映画「闇はささやく」のネタバレ内容が含まれます。作品をまだご覧になっていない方はご注意ください。

contents

【闇はささやく】作品情報

【原題】
Things Heard & Seen
【公開年】
2021年(日本)
【監督】
シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
【出演】
アマンダ・セイフライド、ジェームズ・ノートン、ナタリア・ダイアー、カレン・アレン、F・マーレイ・エイブラハム
【制作国】
アメリカ
【上映時間】
119分
【配信元】
Netflix

 

エリザエス・ブランデイジの小説を原作に、新居に次々と起こる怪奇現象とともに、夫婦が抱える秘密を描いたスリラー作品。監督・脚本を手がけたのは「アメリカン・スプレンダー」のシャリ・スプリンガー・バーマンとロバート・プルチーニ。

本作は、夫婦関係とその崩壊をベースにストーリーが展開していきますが、おもしろいのは、バーマン監督とプルチーニ監督が夫婦関係であるということ。「いつも謎なのが、その人が本当に自分が思っている人なのか…ということ。それって、みんなが感ている恐怖だと思うわ」とバーマン監督は語っています。本作が描く夫婦の秘密とは?気になりますね。

主演は「マンマ・ミーア」でおなじみのアマンダ・セイフライド。夫役には「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のジェームズ・ノートンがキャスティングしています。

【闇はささやく】原作は実話に基づく?

映画「闇はささやく」は、エリザエス・ブランデイジの小説「All Things Cease to Appear(原題)」が原作となっています。フィクション作品ですが、著者の実際の体験にインスパイアされた物語なのだそうです。

その体験とは、著者が夫の仕事のためニューヨーク州北部に引っ越した時のこと。夫婦はそこで古い家を賃貸し、3歳と6歳になる娘たちとともに新しい生活をはじめます。しかし、ある時娘たちが、その家に住んでいる小さな女の子の幽霊たちの話をしはじめたのです。しかも、幽霊3人の名前やどのように亡くなったかまで詳細に。さらに3歳の娘は、見えない何かが部屋の中を動いているの目で追いながら笑っていたことも。

「私たちはみな、死や私たちが知らない死後の世界について考えるものです」と、著者のエリザベス・ブランデイジは語ります。「私は、死や死後の世界について書きたいと思っていて、そこにどうにかして幽霊も取り入れたかったの。」

この不思議で不気味な彼女の体験が、本作のプロットにつながったというわけです。

参考
ELIZABETH BRUNDAGE 公式サイト

【闇はささやく】あらすじ(ネタバレなし)

夫の仕事のため、娘を連れてマンハッタンから小さな町に引っ越したキャサリン。しかし、新しい家で怪奇現象が起き出します。その家にまつわる暗い過去が明らかになるにつれ、キャサリンと夫との秘密もあらわになっていきます。

参考
闇はささやく|Netflix(ネットフリックス)公式サイト

【闇はささやく】観た感想

ここからは、映画「闇はささやく」のネタバレ内容が含まれる可能性があります。ただし、結末についての詳細はありません。作品をまだご覧になっていない方はご注意ください。

家の中で次々と起こる怪奇現象と、明らかにされる夫の秘密…。本作を観ながら、ハリソン・フォードとミシェル・ファイファーの「ホワット・ライズ・ビニース」(2000年)を思い出しました。

ただ、家に棲みつく霊、夫婦関係、夫の秘密、フェミニズムなど、盛りだくさんな要素をつめ込んだものの、結局どれも不完全燃焼で終わってしまったという印象

本作の舞台は1980年代。ガレージに車を停めた夫が、フロントガラスに落ちた血の滴に気づくシーンから作品がはじまります。急いで家の中に入った夫は、リビングにいる娘を見つけます。次のシーンでは、夫が娘を抱えてどこかへ走っていく様子が。そこから、数ヶ月前へフラッシュバックします。

作品がはじまって40分ほどは、キャラクターの人物像や人間関係がテンポよく描写され、家の中でも不思議なことが起こりはじめます。心霊映画ならではのゾクゾクする瞬間もあり、一気にストーリーに引き込まれました。

しかし後半に入ったあたりで、心霊映画からサスペンス要素と夫婦関係がメインに。そこに心霊現象がくっついてくる感じ。心霊映画と期待して本作を観はじめた方には、少しガッカリする展開かも。ホラー映画が苦手な私でも、後半は怖くなかったです。

サスペンスの要素もかなり中途半端。なんの捻りもなく、かなり早い段階で夫のダークな面が見えてきます。意外な真相や展開もないので、自分が予測する結末を待ちながら観ていた感じでした。

本作の監督は、「夫婦関係とその崩壊を、妻の視点から描いた」と語っていますが、確かに作品の大半は、ナルシストな夫の裏の顔や秘密が次々と明らかになり、夫婦関係が崩壊していく様子が描かれています。自分がよく知っていると思っていた人の裏の顔を知ってしまた時に感じる恐怖…。おそらく監督は、その恐怖を観客に感じてもらいたかったのかな、という印象はありました。

ただ、やはりいろんなことをつめこみ過ぎたのが残念。少しボヤけた結末で、たくさんの疑問が残りました。ちなみに原作では、映画での結末をはじめに明かしてから、フラッシュバックしてそこに至った経緯が描かれています。こちらの方がおもしろかったのかなーとも思いますが…。

映画のベースとなったストーリーやテーマは興味深く、ポテンシャルはあっただけに少し残念です。

映画の評論サイトのRotten Tomatoesでも、評価は36%(2021年5月1日時点)とかなり低め。「骨子はよいが、結末がつまらない」「シーンからシーンへと目まぐるしく移り変わったことで恐怖が無駄になり、ストーリーの勢いも弱まってしまった」などの意見が。

ただ、映像がとても美しい!「クワイエット・プレイス」をはじめとする数々の作品が撮影されたことでも知られる、ニューヨーク州北部のハドソン・バリーがロケ地とのこと。自然豊かな田舎の風景を、全体に黒をおさえた鮮明な色彩で映像化しています。どんよりした雰囲気が、どこか不気味で映画のテーマにはピッタリ。

また、主演のアマンダ・サイフライドとジェームズ・ノートンの演技もよかったです。サスペンスやホラーは、主演が恐怖を演技しすぎてしまい安っぽくなることがあるのですが、アマンダ・サイフライドの演技は自然体で好感が持てます。ジェームズ・ノートンも、まさにナルシストな夫!と腹立たしくなるほど説得力のある演技でした。

まとめ

映画「闇はささやく」のあらすじと感想をご紹介しました。

いい映画になり得たのに残念ではありますが、観る人によって作品の感じ方は違うものです。興味がある方は、ぜひ1度はご覧になってみてはいかがでしょうか。

現在(2021年5月2日時点)、映画「闇はささやく」はNetflixにて配信中です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。