【ラ・ラ・ランド】つまらない派?面白い派?評価が分かれる理由とは

名作だと聞いたから「ラ・ラ・ランド」観たけれど、「つまらない」「どこが名作なのかわからない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ゴールデン・グローブ賞において歴代最多7部門受賞を誇る「ラ・ラ・ランド」ですが、「素晴らしい」と絶賛する人と、「つまらない」と酷評する人とに評価が分かれているようです。

そこで今回は、映画「ラ・ラ・ランド」の感想・評価をピックアップしながら、評価が分かれる理由を考察してみました。

なお、当記事には映画「ラ・ラ・ランド」のネタバレ内容が含まれます。作品をまだご覧になっていない方はご注意ください。

【ラ・ラ・ランド】あらすじ

「ラ・ラ・ランド」本予告

舞台はロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働きながら女優を目指すミアは、オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ピアノの音色に誘われ入ったジャズバーで、ピアニストの青年セブと出会います。いつか自分の店を持ってジャズを演奏したいと夢見るセブ。やがて2人は恋に落ちます。

【ラ・ラ・ランド】はっきりと分かれてしまった評価

映画「セッション」で話題を集めたデイミアン・チャゼル監督が5年かけてやっと実現した映画「ラ・ラ・ランド」。第89回アカデミー賞では史上最多とならび14ノミネート。チャゼル監督が史上最年少で監督賞を、エマ・ストーンが主演女優賞を受賞するなど、計6部門で賞を獲得しています。

多数受賞したにもかかわらず、「つまらない」という意見も多く、評価がはっきりと分かれているのが本作の特徴です。

ここでは、映画「ラ・ラ・ランド」の評価が分かれた要因について見ていきましょう。

主人公に共感できるvs共感できない

「ラ・ラ・ランド」がつまらないと思った理由の1つに、主人公のミアに全く共感できなかった、という意見が多数あります。

その理由として挙げられるのが、

  • 運転中に携帯さわって迷惑かけてる
  • 映画館のスクリーンの前に堂々と立ってる
  • 彼氏とのディナーから、他の男性のために抜け出す など

しかも最後には、セブではなく他の男性と結婚してしまう…。「なんて身勝手なの?」と気になった方の中には、主人公に共感できず映画自体が「つまらない」と感じてしまった方もいるようです。

反対に、「ミアやセブに共感しすぎて号泣した」といった感想が多いのもポイント。


他にも、「夢を追ったことのある人なら共感できるはず」「ミアが抱えるジレンマに共感できる」などの意見も。

「自分勝手」「尻軽」とも思えるミアの言動も、現実味があって共感できると感じたファンもたくさんいるようです。

最高?最悪?のミュージカル映画

「ラ・ラ・ランド」を面白いと思った方の多くが、歌やダンスを絶賛しています。

「ミュージカルが苦手だけど楽しめた」という意見が多い印象です。

朗々と歌い上げるタイプのミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」などと比べて、「ラ・ラ・ランド」はセリフのように囁くような歌声。そのナチュラルさが、ミュージカル初心者にもとっつきやすく感じたのかもしれません。

さらに、「ロシュフォールの恋人たち」「雨に唄えば」などの過去の名作をオマージュした演出と、レトロで独創的な雰囲気に魅了された方も多いようです。

一方で、「ラ・ラ・ランド」がつまらないと思った方は、エマ・ストーンとライアン・ゴスリングの歌とダンスが上手くなかったことが気になったよう。

海外のメディアでも、主演2人の歌とダンスを酷評するコメントも。

現実的に、(エマとライアンは)歌うことも踊ることもできない。著名人が、なんとかやってのけるっていうのを見るのも目新しくなくなってきたよ。

Love ‘La La Land’? Hate It? So Do We|The New York Times

エマ・ストーンは、幼い頃にボイストレーニングを受けていたそうですが「下手ではないけれど歌手にはなれないほどのレベル」と自分でも語っています。

一方ライアン・ゴスリングは、バンド活動をしていたこともあるほどの音楽好き。しかも、本作のためにピアノをほぼ毎日3ヶ月間も練習したとのこと。

音楽関係者からすると「歌えないし踊れない」2人かもしれませんが、彼らの努力と素晴らしい表現力をもう少し評価してあげたいところではないでしょうか…。

ストーリーが見事?もの足りない?

「ラ・ラ・ランド」のストーリーが「物足りない」「ありきたり」という理由で、作品の良さがわからなかったという声もあります。

ストーリーが物足りないと感じる要因の1つに、主人公ミアというキャラクターについて深く掘り下げられなかったという評論家も

The New Yorkerの記事「The Empty Exertions of “La La Land” 」では、作品中ミアの人生についてあまり語られていなかったことについて指摘されています。

女優だった叔母の影響で映画の世界に興味を持ったこと、脚本を書いたことがあること、女優になるため大学を中退したことなどについてミアはセブに語っていますが、それ以外はあまり詳しく明かされていません。

例えば、ミアが一人芝居を上演するまでのプロセスや、酷評されたにも関わらずどうしてディレクターから起用されたかについては不明で、疑問が残ります。さらに、ミアが実家に帰った時も、家族は登場していません。

限られた時間の中に全てをつめこむのは難しいですが、ミアのバックグラウンドをもう少し知ることができれば、前述の「ミアに共感できなかった」という意見も少しは変わってくるかもしれませんね。

もちろん、「ストーリーが最高!」という意見も多数あります。

「ラ・ラ・ランド」を「ラブストーリー」と捉える方と「夢追い物語」と捉える方にわかれている印象ですが、どちらにせよ本作のほろ苦いストーリーに心を打たれた方も多いようです

一般的なラブストーリーやサクセスストーリーと違い、うまくいくことばかりじゃないミアとセブの、現実味ある人生にたくさんのファンが共感しています。

ハッピーエンド?ハッピーエンドじゃない?

「ラ・ラ・ランド」で大きな話題となったのがエンディングです。

ミアとセブが結ばれなかったので「ハッピーエンドじゃない」という意見と、2人の夢がかなったので「ハッピーエンドだ」という意見に分かれています

本作をラブストーリーとして観た方は、「セブがミアと一緒にパリへ行ってでも結ばれるべきだったんじゃない?」「切なすぎる」「モヤモヤする」など、納得のいかないエンディングだった印象。結局、映画自体がつまらないと感じてしまったよう。

一方で、「ラ・ラ・ランド」が面白いと思った方は、

「ハッピーエンドじゃないけど、そこが現実的でよい」派と、
「2人の夢が叶ったのだから、ハッピーエンドだ」派に分かれるものの、

どちらにせよ「ラ・ラ・ランド」は名作!と絶賛しています。

観る人の好み、価値観、これまでの経験、作品に期待していたものなどにより、ラストシーンの捉え方が異なり賛否がはっきりとしてしまったようです。

【ラ・ラ・ランド】制作陣がラストで伝えたかったこととは?

日本だけでなく、海外でも「ラ・ラ・ランド」のエンディングはかなり話題になりました。

Hollywood REPORTERのインタビューによると、本作を手がけたプロデューサーもチャゼル監督も、ラストはミアとセブが別々の道を歩むことではじめから決定していたとのこと。従来のハリウッドのおとぎ話に反抗することなく、それでいて現実的なストーリーにしたかったそうです。しかし同時に、ミアとセブが結ばれることを期待する人からのプレッシャーもありました。そこで、この2つを独創的で斬新に結びつけた結果、「ラ・ラ・ランド」のラストにつながったというわけです。

チャゼル監督はこのように語っています。

末長く幸せに暮らしました」の後には、いろんなことが起こる可能性があるよね。でも、思い出を共有した2人の間には、とても純粋なものがありそれを誰も汚すことはできない。……狙いは、昔のミュージカルを演じながらも、土台は現実の世界にすること。現実の世界は物事がいつもうまくいくわけではないんだ。

‘La La Land’ Producer, Director Defend Ending as an Alternative to the Hollywood Fairy Tale|The Hollywood REPORTER

ミアを演じたエマ・ストーンも、ラストシーンにかなり満足しているようです。「たとえミアが(他の人と)結婚して子供がいたとしても、この映画はミアとセブの愛を賞賛するものなの。2人の愛は現在も過去と同じくらい大切で、これからの人生にも2人の愛はずっと大切であるということこそ本作が伝えたかったことなのよ。」

私たち映画を観る側が、「ハッピーエンド」もしくは「ハッピーエンドではない」と考えるかは、「観る人それぞれが決めること」と語るチャゼル監督。

「ハッピーエンド」にしろ「ハッピーエンドではない」にしろ、本作が多くの人を魅了し、色々な意味で多くの人の心に残るエンディングとなったのは間違いありませんね。

まとめ

映画「ラ・ラ・ランド」の評価がどのように分かれているかについてご紹介しました。

観る人によって感じ方や捉え方は異なりますが、制作者の想いや意図を知ることで、両極に分かれてしまった意見の距離が少し縮まるような気もしますね。(私だけでしょうか笑?)

また機会があれば、映画「ラ・ラ・ランド」もう1度観てみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございました。