「ブリジャートン家」は実話?知っておくともっと面白い事実を紹介!

ネットフリックスで配信中の人気ドラマ「ブリジャートン家」。英国ドラマ「ダウントン・アビー」の世界観に「ゴシップ・ガール」を詰め込んだような作風に、夢中で観てしまった方も多いのではないでしょうか?

イギリスの時代劇なのに、リアルで型破り。しかも「婚活」「夫婦愛」など現代の私たちでも共感してしまう人間ドラマに、思わず「ブリジャートン家は実在したの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。

そこで当記事では、

  • ドラマ「ブリジャートン家」は実話?
  • 作品の描写は、歴史的にどのくらい忠実?
  • 知っておくと便利なイギリス史の豆知識


これらのことについて解説していきます!

ドラマ「ブリジャートン家」は実話?

ドラマ「ブリジャートン家」のような時代作品を観ると、「これって実話?」とつい気になってしまうことってありませんか?

残念ながら、ドラマ「ブリジャートン家」は実話ではありません。全米ベストセラー小説「ブリジャートン家1恋のたくらみは公爵と」を原作とするフィクション作品です。

原作「ブリジャートン家」シリーズについて

原作の著者は、アメリカ人のロマンス作家ジュリア・クイン。「ブリジャートン家」シリーズは全8作品あり、今回ドラマ化された作品は「ブリジャートン家」シリーズの第1作目となります。

各作品は、ブリジャートン家の兄弟姉妹が順番に1人ずつ主人公を務めており、「真の愛」がテーマ。全米だけで1,000万部以上の売り上げを誇る大ヒット作品なんです。

ブリジャートン家は実在する?

「じゃぁ、ブリジャートン家は実在したの?」と思った方もいらっしゃるのでは?

こちらも残念ながらフィクションで、ブリジャートン家は実在していません。小説「ブリジャートン家」に登場する架空の家族です。

実は、原作「ブリジャートン家」シリーズはもともと8作品でなく、ダフネ・アンソニー・コリンをそれぞれ主役とした3部作にしようと著者ジュリア・クインは考えていたのだそう。

どうして8人兄弟姉妹にしたのかは覚えていないとのことですが、彼女は「登場人物」の大切さについて、Shondaland.comのインタビューで次のように語っています。「恋愛小説を良いものから素晴らしいものにするのは『登場人物』が1番大切」

確かに「ブリジャートン家」の登場人物はみんな生き生きとしていて個性豊か。「実在したのでは?」と観客が思ってしまうのも自然かもしれませんね。

【ブリジャートン家】がもっと面白くなる事実!

ドラマ「ブリジャートン家」どのような時代だったのでしょうか?

作品の中には、「持参金」「社交デビュー」「未婚女性の貞潔」など、「この時代って本当にこんな風だったの?」と驚くような描写もありましたよね。カラフルでおしゃれな衣装も気になった方がいらしゃるではないでしょうか。

ドラマ「ブリジャートン家」は歴史・伝記作品ではありませんが、歴史的に忠実に描かれているところもたくさんあるんです。

ここでは、知っておくとドラマ「ブリジャートン家」がもっと面白くなる、イギリス史や当時の習慣などについて見ていきましょう。

舞台となった1800年代のロンドンについて

ドラマ「ブリジャートン家」の舞台となった1813年のイギリスは、君主ジョージ3世代わりに息子のジョージ4世が統治した「摂政時代」。

ジョージ4世が芸術を奨励したこともあり、文化的に大きく進歩した時代としても知られています。ドラマ「ブリジャートン家」でも描かれていたように、優雅で美しい美術や建物がとても特徴的だったとのこと。ブリジャートン家やフェザリントン家のような上流階級の人々にとっては、華々しく優雅な社会だったようです。

しかし上流社会とは反対に、富裕ではない地域では盗みやギャンブル、酒浸りの人々が横行していました。ドラマの中でもギャンブルのシーンがありましたよね。

ちなみに、サイモンの友人でボクサーのウィルは実在の人物がモデルとなっているとのこと。モデルとなったのは、ニューヨーク生まれの黒人ボクサー、ビル・リッチモンド。14歳の頃にイギリスに移住し、ボクサーとして活躍しながら自由な人生を謳歌したのだそうですよ。

「社交デビュー」とは?

女王陛下に謁見するため必死で準備する、ダフネやフェザリントン家の娘たちを描いたシーン。コルセットを力づくで締めつけられる様子は本当に苦しそう!そもそもドラマ「ブリジャートン家」は、この「社交シーズン」を舞台に繰り広げられる、恋愛やドラマがテーマとなった作品です。

実際に当時のロンドンでも、社交界シーズンの「社交デビュー」や「結婚市場」は、上流階級の人々にとって大イベントだったようです。

一定の年齢に達した女性のお披露目として開かれる舞踏会は、ロンドンでは毎年恒例のイベントでした。16〜20歳の良家の令嬢たちは女王陛下に謁見し、その後一人前のレディとして社交界への参加が認められます。この社交デビューは、君主ジョージ3世がシャーロット王妃の誕生日を祝うために開いた舞踏会がはじまりと言われています。

社交シーズンは毎年11月から7月までの6ヶ月間。この間、令嬢の多くは週に2回ほど舞踏会に出席していたとのこと。ある公爵令嬢は、1シーズンで68回も舞踏会に出席し、週に少なくとも1回はオペラや演劇などにも通っていたんだそうです。

この頃の令嬢たちにとって、社交デビューして将来の夫を見つけることは必要不可欠なこと。また家族にとっても、娘に条件のいい結婚をさせることが当主や家の繁栄につながるとして望ましいことだったと言われています。

ちなみに、この頃の上流階級の女性の結婚適齢期は18歳くらいだったのだそうですよ。

3:「公爵」はどのくらい偉いの?

ドラマ「ブリジャートン家」では、サイモン・バセットが「公爵」、アンソニー・ブリジャートンが「子爵」、フェザリントン卿は「男爵」となっています。

イギリスでは、爵位を持った人とその家族を「貴族」と呼びます。爵位には、公爵から男爵までいくつかの階級に分かれており、爵位はその家で代々継承されていきます。たいていは一家の長子が爵位を引き継ぎます。

階級の序列は、上から以下のとおりとなっています。    

  • 公爵(こうしゃく)/Duke(デューク)
  • 侯爵(こうしゃく)/Marqui(マーキス)
  • 伯爵(はくしゃく)/Earl(アール)
  • 子爵(ししゃく)/Viscount(ヴァイカウント)
  • 男爵(だんしゃく)/Baron(バロン)

「公爵」を日本の歴史で例えるなら、江戸時代の親藩大名と同じくらいだと言われています。ちなみに公爵の1つ下の「侯爵」は、外様大名といったところでしょうか。

現存する公爵には、ウェールズ公(チャールズ皇太子)、ケンブリッジ公(ウィリアム王子)、エディンバラ公(エリザベス女王2世の夫)などが有名です。

持参金がないと結婚できない?

ドラマ「ブリジャートン家」の中で、フェザリントン卿が娘たちの「持参金」をギャンブルで使い果たしてしまったのがバレて、夫人が激怒するシーンがありましたよね。

持参金は、この時代を舞台とした作品ではよく耳にする言葉です。映画「高慢と偏見」や人気ドラマ「ダウントン・アビー」にも、持参金について論議するシーンがありました。

「持参金」とは、結婚する時に女性が準備する財産のことです。この風習は、古代ギリシャや古代ローマが始まりと考えられています。

 

この時代、親の財産は死亡時ではなく、結婚時に娘に分配されていました。女性はこれを「持参金」として結婚する時に持っていきます。持参金を多く準備できない女性は、条件の良い結婚をすることが難しかったと言われています。

シャーロット王妃は本当に黒人だった?

ドラマ「ブリジャートン家」に登場するシャーロット王妃。本作でシャーロット王妃を演じるのは実力派女優ゴルダ・ロシューヴェル。王妃が黒人?と少し驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一説によれば、シャーロット王妃の祖先には黒人の血が流れているとのこと。彼女は、ポーランド王家出身でドイツ生まれ。祖先にアフリカ系ムーア人の血を引いていると言われているんです。

これが本当であれば、王家に嫁いだ初めての黒人のプリンセスはメーガン妃ではなくシャーロット王妃ということになりますね。

シャーロット王妃の夫はイギリス王ジョージ3世。シャーロット王妃とは、(当時の王家には珍しく)とても仲が良かったと言われており、子供がなんと15人もいたそうです。

ちなみに、ジョージ3世は本作にも少しだけ登場しますね。一見、認知症のよう。

実は歴史的にも、ジョージ3世は精神病を患っていました。食事をするシーンで、ジョージ3世は娘エミーリアについて尋ねます。彼女が若くして亡くなったことも覚えていない様子。実際ジョージ3世は末娘エミーリアを亡くしており、それが原因で病がさらに悪化したと言われています。

未婚女性の貞節と評判について

ドラマ「ブリジャートン家」では、ダフネとサイモンが2人きりで会話を交わすシーンがあります。このことが世間にバレたら、妹ダフネの評判ががた落ちになると、兄アンソニーが激怒します。これも、歴史的に忠実に表現されているとのこと。

この時代、女性は純粋で従順、謙虚であることが美徳であるとされていました。このため、未婚の若い女性が、家族以外の男性と2人きりになるのは決して許される行為ではなかったのです。女性は非の打ちどころがなく純潔に見える必要があり、然もなくばよい条件での結婚は諦めざるをえなかったようです。

また、男女の性的な行為について何も知らないダフネの描写もありました。未婚女性は貞節が求められる時代でした。

当時の女性がダフネのように全く知識がなかったかどうかはわかりませんが、知っていたとしても知っていることを隠す必要があったかもしれませんね。

当時も大人気だったゴシップ誌

ドラマ「ブリジャートン家」と言えば、ジュリー・アンドリューズが声を演じるレディ・ホイッスルダウンのタブロイド紙がとても印象的。上流階級のゴシップをまとめた新聞を、王妃までもが夢中で読んでいました。

実際この頃も、本作のようにゴシップを掲載した新聞やタブロイド誌などが出回っていたようです。1800年初めに蒸気式の印刷機が発明され、情報の普及が5倍以上のスピードになり、コストもはるかに安価に。このため、社交界小説、噂話、自慢話などが広められるようになったそうです。

ただし当時は、筆者の名前も含めて人名はイニシャルなどでほのめかす程度だったのだとか。

衣装にはかなりこだわりが!当時と比べると?

ドラマ「ブリジャートン家」を観た方の中には、カラフルできらびやかな衣装に見とれてしまった方もいることでしょう。撮影のために揃えた衣装や小物はなんと7,500点!準備するのに5ヶ月もかかったのだそうですよ。

本作中の衣装は、当時のファッションをもとにアレンジされています。歴史的な正確さにはこだわらず、より新鮮で幻想的ものになるよう意識したそうです。

ただ、衣装の中でも当時のものとよく似ているのもあります。

例えば、ダフネがよく着ていたウェストラインが高めのロングドレス。このスタイルは、当時の結婚市場にいる令嬢たちの勝負ドレスだったようです。コルセットで締め付けるのも、上流階級の女性には一般的でした。

本作の中で、歴史的に正確に描かれているのが、シャーロット王妃のドレス。厚いペチコート、長い袖、低めのウェストラインは、18世紀の女性に人気のファッションでした。実際のシャーロット王妃の肖像画を参考にして作られた衣装もあるそうですよ。

まとめ

ネットフリックスの超話題ドラマ「ブリジャートン家」についてご紹介しました。

時代劇ながらも、歴史にとらわれない新しい作風が、まさに本作品の魅力。華やかな衣装やセットはまるでファンタジー映画のよう。しかも、所々に散りばめられた歴史的に忠実な描写が、作品をさらに面白いものにしています。

作品の中に隠された真実も踏まえながら、ぜひもう1度ドラマ「ブリジャートン家」を観るのも面白いのではないでしょうか。

こちらの記事を参考にさせていただきました。
摂政時代|ウィキペディア
Everything You Wanted to Know About Regency London, the High-Society Setting of ‘Bridgerton’|shondaland
Is Netflix’s ‘Bridgerton’ Based on a True Story? | Marie Claire
7,500 Pieces and 5 Months of Prep: What It Took to Create Bridgerton’s Costumes|VOGUE