【ブリジャートン家】の衣装に込められた真実とは?色が伝えるメッセージ

Netflix最大のヒット作品と話題のドラマ「ブリジャートン家」。1800年代のリージェンシースタイルを楽しみながらも、現代的でカラフルな衣装に釘づけになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はドラマ「ブリジャートン家」の衣装には、見た目の美しさだけでなく、それぞれにクリエーターのこだわりや深い意味があるのをご存知でしたか?

そこで今回は、ドラマ「ブリジャートン家」について…

  • 衣装に込められたメッセージ
  • 衣装について注目するべきポイント
  • 当時のファッションとの比較

これらのことについて解説していきます。

【ブリジャートン家】衣装を手がけたのはあの有名デザイナー

ドラマ「ブリジャートン家」の衣装を担当したのは、77歳のコスチュームデザイナー、エレン・ミロイニック。これまで数々の作品の衣装を担当しており、2013年には映画「恋するリベラーチェ」でエミー賞を受賞しています。最近の作品では、映画「グレイテスト・ショーマン」や「マレフィセント」などが有名。

衣装・小物の数なんと7,500点!

エレン・ミロイニックを含め、衣装を担当したスタッフの数238人。ドラマ「ブリジャートン家」の撮影に向けて、衣装を準備するのに5ヶ月もかかったのだとか。

ほとんどの衣装は型紙からあつらえられたもので、刺繍やビーズも手作業で取り付けられています。何枚ものレイヤーが重ねられたドレスも多く、準備したコスチュームの数は、小物や下着も合わせると全部でなんと7,500点

エレン・ミロイニックがこれまでに手がけた衣装の中で、最も規模が大きく素晴らしいものだったそうですよ。

当時の服装を現代風にアレンジ

エレン・ミロイニックが目指したのは、当時の服装の再現ではなく、現代の私たちが見て美しいと思えるもの。

エレンはHarper’s BAZAARのインタビューで、このように語っています。「当時のスタイルに現代的な感性を重ねることで、新しく大胆で心を動かされるようなものにし、とびきり独創的なレイヤーも重ねたかったの。」

1800年代の人にとっては華々しく輝いて見えたファッションも、現代の私たちが見ると地味で色あせて感じるもの。ドラマ「ブリジャートン家」では、新しく息を吹き込んだファッションで、贅沢できらびやかだった当時の上流社会を見事に表現しています。

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【ブリジャートン家】「色」に込められたメッセージとは?

ドラマ「ブリジャートン家」の衣装で、重要なポイントの1つが「色」です。見た目の美しさはもちろんのこと、キャラクターやストーリーに合わせて色を選んでいるとのこと。

変化するダフネのドレスの色

主人公ダフネのドレスの色は、ほとんどがブルーや白です。ブルーはブリジャートン家のシンボルカラー。イギリスの老舗陶磁器ブランドとして有名な「ウェッジウッド」のブルーがイメージで、ブリジャートン家の華麗さと地位の高さを表現しているのだとか。

淡いブルーや白は、ダフネの純粋さを象徴しています。ここで注目したいのが、彼女が公爵夫人となってから。結婚して純潔さが薄れ大人の女性へと成長するダフネに合わせて、淡いブルーからより深く濃いめのブルーへ変化していきます。

ペネロピが黄色を着る理由とは?

フェザリントン家の三女ペネロピはいつも黄色いドレスを着ていますが、本人はあまり好きではない様子。ドラマの中でも彼女が「今日は母がいないので、ピンクを着たの」と言うシーンがありましたよね。実は、母親であるフェザリントン夫人が黄色のドレスを着るよう指示しているんです。

原作によると、フェザリントン夫人が黄色を勧める理由は「黄色は陽気な色。陽気な女性は夫をつかまえることができる」とのこと。静かであまり目立たないペネロピが、結婚できないのではないかとヤキモキしているのでしょう。

実は黄色は、当時ファッショナブルな色として大人気だったそうですよ。

サイモンが着る「赤」の意味は?

サイモン(ヘイスティング公爵)の衣装の色にも注目。シーズンのはじめは主にダークな色の衣装を着ています。これは、サイモンの暗い過去を象徴しているとのこと。

ストーリーが進むにつれて、暗い色から赤がワードローブの中心に。赤は情熱と愛を象徴する色。ダフネとの関係を考えると納得ですね。

ちなみに原作によると、赤とゴールドはヘイスティング家の色なのだそう。

派手すぎる?フェザリントン家の衣装

ブリジャートン家と比べてカラフルな衣装のフェザリントン家メンバー。他の人と比べて、色も柄もかなりケバケバしい印象です。この派手さは、新参者で成金、貴族の中でも最も低い地位のフェザリントン家が、上流社会では「ういた」存在であることを表現しています。

衣装を手がけたエレン・ミロイニックによると、「酸味のある色」を意識してヴェルサーチ風の感覚を取り入れたのだそうです。

【ブリジャートン家】衣装はここが面白い!注目したいポイントは?

ドラマ「ブリジャートン家」の衣装は、レイヤーを重ねたり装飾をつけたりすることで、本ドラマ独特の世界観が表現されています。オーガンジーやチュールなどをドレスの上に重ねて、新しい感覚の動きとしなやかさを演出。当時のシルエットと同じなのに、全く違ったものに見えるので不思議ですよね!

そのほかにも、ドラマ「ブリジャートン家」の衣装で、ぜひ注目したいポイントをまとめてみました。

バストを強調したセクシーなネックライン

まずは、ドラマ「ブリジャートン家」に登場する若い女性たちがよく着ていたドレス。バストのすぐ下に切り替えがあり、そこからドレスがストンと落ちるように広がったシルエットは、「エンパイアライン」と呼ばれるスタイル。当時の女性に非常に人気のあったスタイルで、ダフネのような婚活中女性の「勝負服」だったとも言われています。

体のラインが出にくいエンパイアラインとは対照的に、バストを強調した胸元は、本作の衣装をデザインする時に特に意識したポイントとのこと。この大きく丸く開いた襟ぐりは、従来の時代ドラマと比べてよりセクシーで楽しいドラマ「ブリジャートン家」を象徴しています。

釘付けになってしまうほど露出度が高いのですが、「それが美しさを醸しだしてるのよ」とエレン・ミロイニックは語っています。

美の頂点!シャーロット王妃のファッション

ドラマ「ブリジャートン家」の衣装の中で、ひときわ豪華なシャーロット王妃のドレスは、本作の1番の見どころと言ってもいいでしょう。

シャーロット王妃は、18世紀からほとんどドレスのシルエットを変えなかったことで有名。本作では、彼女のシルエットは当時のまま再現し、生地や色の組み合わせを変えることで美しさをさらに引き立たせています

ファッション以外にも、シャーロット王妃のヘアスタイルも見もの。髪の色や高さ、装飾は遊び心たっぷり。毎回違うヘアスタイルとのことなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

「ボネット」は禁止されていた?

当時のファッションに欠かせなかったヨーロッパの伝統的な帽子「ボンネット」。同じ時代が舞台の映画「エマ」にも、おしゃれなデザインのボンネットが着用されていました。

ドラマ「ブリジャートン家」では、ボンネットが登場しなかったのにお気付きでしたか?

実は、本作の衣装でボンネットは禁止されていたとのこと。ドラマのイメージと合わなかったのでしょうか。代わりに、ヘアアクセサリーを使用。羽や花をアクセントとしたヘアアクセサリーをつけることで、より華やかで垢抜けた印象となっています。

1日に何度もドレスを着替える?

衣装や小物を7500点も準備しなければならなかった1つの理由が、1日に何度も着替えていた当時の上流社会の習慣。これに合わせてドラマ「ブリジャートン家」でも、シーンによって異なるドレスを楽しめます

ちなみに、日中に家の中で過ごす時のドレスは「モーニングドレス」。長袖でハイネックなど、肌の露出を最小限にデザインされたものが当時は一般的でした。本作なら、ブリジャートン家三女のエロイーズのドレスが1番イメージに近いかも。

夕食で着るドレスは「イブニングドレス」。モーニングドレスと比べて装飾が多く、腕や胸元など露出度が多いのが特徴です。イギリスの人気ドラマ「ダウントン・アビー」でも、夕食のたびにドレスを変えておしゃれしていた描写が印象的でしたよね。

本当にコルセットをつけていたの?

ドラマ「ブリジャートン家」のオープニング、コルセットのヒモを締め付けられて苦しむシーンはとても印象的。ダフネの背中にも、コルセットによる痛々しい傷がありましたよね。

女性キャストたちも実際に、ドレスの下にコルセットを着用していたそうです。ウエスト下まであるフルコルセットではなく、恥骨の上までのハーフコルセットでしたが、それでも不快だったことでしょう。

しかし、コルセットにより、さらに胸が美しく強調され、見惚れるような優雅なシルエットがとても素敵でしたよね。

ダフネの前髪はあの有名女優がイメージ

ダフネの美しい顔を親しみやすい印象に演出しているのが、短い前髪ではないでしょうか。原作のダフネファンからは、「イメージと違う」とネガティブな声も上がっているようです。

ドラマ「ブリジャートン家」のヘア・メイクを担当したマーク・ピルチャー氏によると、ダフネのヘアスタイルは、映画「戦争と平和」のオードリー・ヘップバーンがイメージとのこと。はじめは額をすべて覆うような長めの前髪を考えていましたが、柔らかいイメージにするためにより短く軽めにカットした前髪になったのだそうです。

まとめ

ドラマ「ブリジャートン家」の衣装についてご紹介しました。

見た目にキレイなだけでなく、それぞれの衣装に込められたクリエーターの想いやこだわりを知ると、また違う観点で作品を楽しめることでしょう。

ドラマ「ブリジャートン家」をこれからご覧になる方は、ぜひ衣装にも注目しながらご視聴してみてくださいね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

以下のサイトを参考させていただきました。
Bridgerton Features 7,500 Glorious Costume Pieces|Harper’s BAZAAR
How ‘Bridgerton’ Uses Color To Send A Secret Message, According To Its Costume Designer|THE ZOE REPORT
Bridgerton’s Secret Costume Color Meanings Explained|SCREENRANT
7,500 pieces, 238 team members and 5 months of prep: Bridgerton’s costume designer on what it took to create Netflix’s Regency romp | VOGUE
Queen Charlotte’s Extravagant Afro in Bridgerton Was Inspired by Who Else but Beyoncé | VOGUE