映画「魔女がいっぱい」原作は?あらすじ・登場人物・キャスト

2020年12月4日公開予定の映画「魔女がいっぱい」の予告を観た方は、主演アン・ハサウェイの美しくも不気味な姿に衝撃を受けたのではないでしょうか?

  • 映画「魔女がいっぱい」ってどんなお話?
  • 原作はどんな本?
  • アン・ハサウェイってどんな役なの??

と、疑問に思った方もいるのでは?

子供向けのファンタジー作品ながらも、どこか怪奇な雰囲気が漂い大人でも興味をそそられますよね。

そこで今回は、映画「魔女がいっぱい」の原作、あらすじ、登場人物などについてご紹介します。

映画【魔女がいっぱい】の原作者はロアルド・ダール

映画「魔女がいっぱい」(原題:The Witches)は、イギリス人作家故ロアルド・ダールの児童小説「The Witches(原題)」(1983年出版)が原作となっています。

ロアルド・ダールは児童文学の巨匠として知られており、大ヒット映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作者としても有名です。小説「魔女がいっぱい」はダールの「もう1つの人気作」として根強いファンも多く、これまでラジオドラマやオペラなど本書を原作とした数々の作品が輩出されています。1990年には「ジム・ヘンソンのウィッチズ」と題して映画にもなりました。

彼の物語の魅力は、なんと言っても巧みな語りぶり。読み手をお話の世界に一気に引き込んでしまいます。また、ダールの作品の表紙や挿絵もとても印象的。手がけたのは、イギリス人イラストレーターのクェンティン・ブレイク。彼とダールは何度も一緒に仕事をしています。

小説「魔女がいっぱい」のあらすじ

交通事故で両親を亡くしてしまった男の子「ぼく」。ノルウェーに住んでいたおばあちゃんが、イギリスの「ぼく」の家で一緒に暮らすことになります。

 

魔女のことにとても詳しいおばあちゃんは、この世の中には魔女がたくさんいて「ほんものの魔女は、ごくあたりまえの服を着て、そのへんの女の人とまったく変わらない」と言います。そして、魔女に会った時にどう見やぶるか、その見分け方を教えてくれます。

 

ある日「ぼく」は魔女の集会をのぞき見してしまいます。魔女たちは子供が大嫌いで、この世から消してしまう秘密の相談をしていました。魔女に見つかり捕まってしまった「ぼく」は…。

 

魔法にかけられてしまった主人公「ぼく」とおばあちゃんが、大魔女をはじめとする大勢の魔女に立ち向かいます。

小説「魔女がいっぱい」の評判は?

小説「魔女がいっぱい」は、2012年にSchool Library Journalより発表された 「児童小説名作ランキング100」において81位にランクイン。2019年には、BBCの「最も影響力のある小説100」にも選ばれています。

名作として評価される中で、子供小説としては相応ではないという意見も

本作品が、女性や女性らしさに対する嫌悪や蔑視を強調しているとして、所蔵することを禁止する図書館も出ました。また、ある批評家は、男の子が女性を憎む方法を学ぶことができるという描写が性差別主義な本として批判しています。

さらには、小説の終わりの一節「死ぬことによって成長するのを避けることができる」が、子供の自殺を助長するのでは?という指摘もありました。

ロアルド・ダールの主な作品

児童文学以外にも、風刺やブラックユーモア溢れる短編小説、脚本など幅広く手がけたロアルド・ダール。全49作の中から代表作をいくつかピックアップしてみました。

【児童文学】

原題:James and the Giant Peach(1961)
邦題:「おばけ桃の冒険」「おばけ桃が行く」
・「ジャイアント・ピーチ」の題名でアニメーション映画化されています。

原題:CHarlie and the Chocolate Factory(1964)
邦題:「チョコレート工場の秘密」
・ティム・バートン監督による実写映画「チャーリーとチョコレート工場」(2017年)が大ヒットしました。
原題:The Magic Finger(1966)
邦題:「魔法のゆび」
・使うと不幸なことがおきてしまう「魔法のゆび」を持つ女の子のお話
原題:Fantastic Mr Fox(1970)
邦題:「父さんギツネバンザイ」「すばらしき父さん狐」
・「ファンタスティック Mr. FOX」の題名で映画化されています。
原題:The BFG(1982)
邦題「オ・ヤサシ巨人BFG」
・スティーブン・スピルバーグ監督により、2016年に「BFG;ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」の題名で実写映画版が公開されました。
原題:The Witches(1983)
邦題「魔女がいっぱい」
・1990年に「ジム・ヘンソンのウィッチズ/大魔女をやっつけろ!」の題名で映画化されました。
原題:Matilda(1988)
邦題「マチルダはちいさな大天才」
・ダニー・デビート監督により1996年に「マチルダ」の題名で映画化されています。
・「ハリー・ポッターと賢者の意思」が出版さるまでは、イギリスの児童書部門で売上1位を独走していました。

【短編集】

  • 「あなたに似た人(原題:Someone Like You)」
  • 「キス・キス(原題:Kiss Kiss)」
  • 「来訪者(原題:Switch Bitch)」

【脚本

  • 「007は二度死ぬ」(1967)
  • 「チキ・チキ・バン・バン」(1968)

映画【魔女がいっぱい】あらすじ・キャスト・登場人物

今回、小説「魔女がいっぱい」の実写化に挑んだのは、ハリウッドを代表する豪華製作陣たち。

監督は「フォレスト・ガンプ/一期一会」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を手がけたアカデミー賞監督ロバート・ゼメキス

さらに、「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ、「ゼロ・グラビティ」「ROMA/ローマ」のアルフォンソ・キュアロンなど、アカデミー賞受賞経験のある巨匠たちが制作に携わっています。

あらすじ【ネタバレなし】

60年代。ある豪華ホテルにおしゃれな美女の集団が現れます。率いるのは、おしゃれで上品な美女。実は彼女は、恐ろしい大魔女/グランドウィッチだったのです。彼女にはある大きな秘密の計画が。ひょんなことから魔女の集会をのぞき見してしまった少年は、魔女に見つかりネズミに変えられてしまいます。果たして少年は、魔女たちの計画を阻止することができるのでしょうか。

1990年に公開された「ジム・ヘンソンのウィッチズ」よりもさらに原作に近い作品に仕上がっています。小説では舞台がイギリスだったのに対しアメリカのアラバマ州が舞台となっていたり、少年の飼っているネズミについての設定が異なっていたりしますが、大幅な変更はありません。

ちなみに「ジム・ヘンソンのウィッチズ」では、エンディングを劇的に変えてしまい(ネタバレになるので詳しい内容は伏せますが)、ロアルド・ダールを怒らせてしまったというエピソードがあります。

本作品のエンディングは、小説のものとよく似ています。

登場人物とキャスト

登場人物:キャスト

  • 大魔女:アン・ハサウェイ
  • ミスター・ストリンガー:スタンリー・トゥッチ
  • デイジー:クリスティン・チェノウェス(声)
  • 少年:ジャジール・ブルーノ
  • 少年(その後):クリス・ロック(声)

映画「魔女がいっぱい」の見どころ

映画「魔女がいっぱい」の見どころは、なんと言っても大魔女/グランドウィッチを演じるアン・ハサウェイ。「難しい役にチャレンジしていきたい」と挑んだ初めての悪役を、美しく邪悪に熱演しています。アンが披露する1960年代のファッションにも注目。千鳥格子柄のセットアップや大きなリボンなど、ゴージャスで遊び心いっぱいのファッションに目が離せません。

さらに、マリリン・モンローなど歴代の美女を参考にしたヘアメイクも見もの。金髪のショートボブに真っ赤な口紅が、大魔女の美しさをより引き立てています。

「衣装やヘアメイクと私(アン・ハサウェイ)が完全にコラボした作品」と語るアン・ハサウェイ。華やかで大胆なファッションとパフォーマンスをぜひ楽しんでみてください。

また、少しショッキングで不思議な余韻の残るラストは、まさにロアルド・ダールの世界観そのもの。子供向けの物語ですが、大人だからこそ言葉の意味について深く考えてしまうダール独特のエンディングが待っていますよ。

映画【魔女がいっぱい】での身体描写について謝罪

映画「魔女がいっぱい」公開後に、魔女の手の描写が不適切だという声が上がり、その批判にアン・ハサウェイおよびワーナー・ブロスが謝罪しました。

原作では、魔女の手は曲がったかぎ爪をしていますが、映画「魔女がいっぱい」では魔女の両手が長い3本指になっています。このような描写が障害者に対して無神経だと感じた人たちが「#NotAWitch(魔女ではない)」というハッシュタグをつけてツイートしました。

これに対し、アン・ハサウェイは自身のインスタグラムで「映画の魔女についての描写により、身体に違いをもつ多くの方々、特に子供たちが苦しんでいることを知りました。」と述べ、「皆さんに与えてしまった痛みについてお詫びします。本当にごめんなさい。(中略)そして、皆さんの家族をがっかりさせてしまいごめんなさい。」と謝罪しています。

そしてメッセージとともに、手足の違いについて理解を求める非営利団体「Lucky Fin Project」の動画をシェアしました。

まとめ

映画「魔女がいっぱい」の原作・あらすじ・キャストなどについてご紹介しました。

映画「魔女がいっぱい」は、12月4日に劇場公開となっています。ご興味がある方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。

また、原作ロアルド・ダールの「魔女がいっぱい」もおすすめです!子供さんなら5年生くらいから、もちろん大人も十分楽しめる作品ですのでぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。